愛して先輩っ! XXX
「そうか」



祐樹先輩は納得の行かない様子だった。

でも、それ以上は聞いてこない。

祐樹先輩は立ち上がると、私の頭をぽんぽん、と撫でた。



「ここは奈々の居場所だ」

「っ、」

「そのことは忘れるなよ」



そう言って、祐樹先輩は部屋を出て行った。


ここが、私の居場所。


そんなこと、言われたら、涙が止まらなくなってしまう。


私は、退寮届けを書き上げて、ベッドにもぐった。

声を押し殺しながら、涙を流し続けた。
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