愛して先輩っ! XXX
そんな時間が流れる。

1日。

2日。

3日……。


おばあちゃんは、相変わらず目を覚まさない。

不安が日に日に大きくなる。

このまま、おばあちゃんが目を覚まさなかったらどうしよう。

このまま、最悪のケースになってしまったら。

私はどうなってしまうんだろう。

おばあちゃんの手をぎゅっと握り締める。


おばあちゃん。

元気になって。

目を覚ましてよ……。


トントン。

病室のドアがノックされる。



「……はい」

「失礼します」



白衣を着たお医者さんが病室に入ってくる。

一瞬、祐樹先輩かと思った。

私が退寮する前日の夜のことを思い出した。

退寮届けを書いている私の部屋に、様子を見に来てくれた祐樹先輩のことを。

ここに祐樹先輩や彼らが来るはずないのに。
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