愛して先輩っ! XXX
「おばあさまの具合はいかがですか」



お医者さんが尋ねる。

手にはカルテを持っていて。


……これは毎日、決まった時間の恒例行事みたいなもの。

お医者さんは淡々と私に様子を尋ねる。

そして、おばあちゃんの様子を診たあと、病室を去っていく。


……寂しい。

おばあちゃんと、こうやって同じ空間で過ごすにつれ、寂しさが増していく。

心が枯れていくような感じがする。

だけど、私が弱っていたらおばあちゃんは元気を取り戻せないような気がするから。

私は願い続けるんだ。

おばあちゃんが元気を取り戻しますように。

もう一度、あの、優しい笑顔を見せてくれますように。


大丈夫。

大丈夫。


そう、何度も私は自分に言い聞かせる。

そうでないと、私の心が保てなくなる。


大丈夫。

きっと全部がいい方向に転んでいくから。

だから、おばあちゃん、目を覚ましてよ。



「……おばあちゃん」



私は窓際に飾ってあった花瓶に目を向けた。

花がしおれている。


……お水を替えてあげなきゃ。

私は、おばあちゃんの手を離した。
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