愛して先輩っ! XXX
「学園長から全部聞いた」



祐樹先輩が口を開く。

……そっか。

学園長は彼らに話したんだね。

それで、わざわざここまで来てくれたんだ……。


安堵の涙なのか。

喜びの涙なのか。

なんなのか分からないけど。

私は涙をこぼした。


そんな私の涙をすくってくれる星矢くん。

みんなに会いたい。

その願いが届いたのかな。

夢みたいな話だけど、彼らは私の目の前にいる。

夢じゃないんだ。


私は病院の廊下だというのに、声をあげて泣いた。



「奈々。おばあちゃんの具合はどう?」



星矢くんが優しく聞いてくれる。

私は涙を拭きつつ、彼らを病室へと案内した。



「……おばあちゃんは、目を覚まさないの」



私の言葉に、息をのんだ3人。

私も言葉が出てこなかった。

病室へ入ると、花瓶を置いておばあちゃんに寄り添った。



「おばあちゃん。みんなが来てくれたよ」



おばあちゃんに声をかけるが、返事はない。

ベッドそばで、暗い表情をする彼ら。



「おばあちゃんが元気にならないと、みんなも元気になれないよ」



私はおばあちゃんに話し続ける。

だけど、応答はなくて。

私はため息をついた。
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