愛して先輩っ! XXX
「奈々ちゃんっ。僕と付き合おう?」



そう言って抱きついてくる瑠衣くん。

つ、付き合おうって……。

顔が、ぼんっ、と真っ赤になったのが分かった。



「ここ、病室……、だから」



私の必死の照れ隠し。

だけど、彼らには照れ隠しは通じなかった。


なぜなら。



「奈々ちゃんを、よろしくねぇ」



なんて、おばあちゃんが言うから。

彼らは元気に。



「……はいっ!」

「任せてください」

「はいっ!」



……返事をした。

私の気持ちなんてお構いなしに、話が進んでいる気がする。

そもそも、彼らは本気なのかな?

わ、私のこと。

その……。

好き、とか、って。



「本気だよ」



私の心を読んだのか、星矢くんが私の目を見て頷く。

さすが幼なじみ。

私の心なんて、簡単に読めちゃうのね……。



「本気だ」

「僕だって本気だもん!」



そんな彼らの言葉におばあちゃんが笑い声を上げる。
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