愛して先輩っ! XXX
「なにやってんだ」



低音ボイスがリビングに響き渡った。

私たちは睨むのをやめて、声のほうへ目を移す。


そこに立っていたのは、黒髪で高身長のイケメンさん。

私を視界にとらえられたと思ったら、眉をひそめられた。



「誰だ」



今日、何度目かの自己紹介をする。



「ああ。今日から男子寮に住むとか言っていた奴か」



え。

この人も、私が男子寮に入ると思っているの?

私、男子寮になんて入る気はないけど。



「なにかの間違いじゃないですか。私、女子なので」



だから女子寮に入ります。

と、言う私に、星矢くんは苦笑している。


ズボンのポケットから封筒を取り出し、私に差し出してきた。



「奈々。学園長からの手紙。読んでみて」



……学園長から?


星矢くんから受け取った封筒から便箋を取り出す。



『奈々ちゃんと男子寮の3人へ』



私と彼らに宛てた手紙?

というか、男子寮って3人しかいないんだ……。


私は手紙を読み進める。
< 15 / 129 >

この作品をシェア

pagetop