愛して先輩っ! XXX
「えっ、ええええっ!」

「うるさい」



祐樹先輩が暴走族総長、ということに驚いている私。

そんな私を瑠衣くんが切り捨てる。


如月学園の男子寮ってどうなっているの!?

ひとりは芸能人。

ひとりは暴走族総長。

もうひとりは……。



「星矢くんは、なにを隠している?」



じとーっ、と星矢くんに視線を送る。

そんな私に星矢くんは爽やかな笑顔を見せた。



「留年したヤンキーで、奈々の幼なじみ」



なるほど。

頷く私の頭を星矢くんが撫でる。



「奈々。久しぶりに、奈々の手料理が食べたい」



星矢くんの言葉に、心臓が飛び跳ねる。

……不意打ち。

星矢くんの優しい瞳で見られたら、恥ずかしくて目をそらしたくなってしまう。


この1年で、星矢くんは大人っぽくなった。

格好良くなった。

だから、急に女の子扱いされると戸惑ってしまう。



「僕は、そいつの料理なんか食べないからねっ」



瑠衣くんに視線を向けると、ソファから顔の半分だけ出して、こちらを見ている。

黙っているとかわいいんだけどなぁ。
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