愛して先輩っ! XXX
「なにか用事?」

「用がなかったら、声かけていない」



そりゃそうですよね。

瑠衣くんが、わざわざ学校で私に話しかける理由なんて思い浮かばない。



「今日の放課後、空いている?」

「……はい?」

「空いているよね。どうせ暇でしょ」



まあ、暇だけれども。

学校が終わったら、寮に帰るだけだから……。



「ちょっと、買い物に付き合って欲しいんだけど」



瑠衣くんは私と目を合わせることなく呟いた。

人前では話しづらいことなのだろうか。

瑠衣くんの声のボリュームが小さくなる。

放課後は予定ないし、瑠衣くんとも仲良くなりたいと決めたから。



「分かった。放課後ね」



そう言った私に、瑠衣くんは少し驚いたような顔を見せた。
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