愛して先輩っ! XXX
そして、放課後。

私はホームルームが終わると同時に、教室を飛び出した。

向かうは校門。

靴を履き替えて校門へ向かうと、そこには瑠衣くんの姿があった。



「お、おまたせっ」



走ってきたので息が切れている私。

『遅いっ』って言われるかな、と覚悟していたのに。



「待ってないよ?」



なんて、きらきらスマイルを向けられた。

にこっ、と笑う姿は、まさに天使。

天使よりかわいいんじゃないか、って思うけど。

昨日からの瑠衣くんの態度からすると、『怖い』としか言えない。

なにか裏がありそうで、思わず身構えてしまう。



「どうしたの?」



そんな私に微笑みかける瑠衣くん。

そのまま、瑠衣くんは片手を差し出してきた。



「はいっ」



瑠衣くんに差し出された手の意味が分からない。

その手を見つめたまま、戸惑う私に瑠衣くんは。



「“彼氏彼女”なんだから、手を繋ぐのは当たり前でしょっ?」



と、さらに意味の分からないことを言う。

私たちって付き合ってないよね?

付き合うどころか、まともに会話すらしていないよね?


瑠衣くんの目を見ると、その目は笑っていなかった。
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