愛して先輩っ! XXX
笑顔なのに目が笑っていないとか怖い。

その目は『空気読め』と言っているようだった。


私は疑問を浮かべながら、瑠衣くんの手に自分の左手を重ねる。



「じゃあ、行こうかっ」



語尾に音符マークがつきそうな言い方。

私は瑠衣くんに引っ張られるように、学校の外へと歩いていった。

どこを目指しているのかは分からないけれど、耐えることなく私に話しかける瑠衣くん。

だから話を振られても、曖昧にしか答えられない。



「あの、瑠衣くん?」

「んーっ?」

「これは、一体どういうことでしょうか」



思い切って聞いてみる。

瑠衣くんが立ち止まった。

そして、私へ1歩近寄る。


距離が近いっ!


そのまま瑠衣くんは、私の耳元に顔を寄せて小さな声で言う。
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