愛して先輩っ! XXX
「かわいいっ」



アクセサリーコーナーにある鏡の前に、私を立たせる瑠衣くん。

鏡の中に映る自分を見ると。

前髪は横に流されて、かわいいけどシンプルなピンクのヘアピンがついていた。



「えっ、これって……」

「僕がプレゼントしたかったから気にしないで?」

「……ありがとう」



瑠衣くんが微笑む。



「どういたしましてっ!」



それから、瑠衣くんは再び私の手を取る。

雑貨屋さんの外に出ると、日が暮れていて暗くなっていた。

きょろきょろ、あたりを見渡す瑠衣くん。



「もう、ついてきてないね」



瑠衣くんを見ると、笑顔は消えていた。

本性をようやく出せた、というように、かわいい瑠衣君の姿はなかった。



「……なにかあったの?」



私が問うと、瑠衣くんはふうっ、とため息をついた。

それからいつもの冷めた目で私を見る。
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