愛して先輩っ! XXX
「今日の昼休みに告白されて断ったら、目の前で泣かれてさ」

「……」

「しつこいから、彼女いるって嘘ついたの。そしたら『信じない』って言われて」



……面倒くさいから『放課後、彼女とデートするから、その目で確かめれば?』って言っちゃったんだよね。

と、瑠衣くんが皮肉っぽく笑う。


モテるって大変なんだなぁ、と思いつつ、告白した女の子にも同情してしまう。



「だから、そのヘアピン。捨てていいよ」



瑠衣くんが歩き出す。

多分、寮に戻るんだろう。

私もその後ろをついていく。


瑠衣くんの後姿に向かって、心の中で呟いた。


……ヘアピン、捨てないよ。

気持ちはなくても、瑠衣くんから初めてのプレゼントだし。

もらったものは大切にしたい。

いつか、瑠衣くんと打ち解けられたら、このヘアピンをつけたいな。


……なんて、思った帰り道。
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