愛して先輩っ! XXX
翌日。

登校すると、下駄箱近くにある掲示板の付近に人だかりが出来ていた。

なにか話題になることでもあったのかなぁ、なんて考えていると、ひとりの女子生徒と目が合った。



「ねえ、あの子じゃない?」



女子生徒の声につられて、掲示板に群がっていた人たちは、いっせいに振り返って私に視線を向ける。

突然の出来事に身構える私。



「一昨日くらいに転校してきた子だよね?」

「それで手を出すなんてサイテー」



私に向けているであろう、見に覚えのない悪口が聞こえる。

鞄をぎゅっと握り締める。

なにが起こっているの……。



「高橋くんに手を出すのはやめてもらえるかしら?」

「えっ……」



サラサラ黒髪ストレートのロングヘア。

黒ぶちのめがねがよく似合う、大和撫子の雰囲気をかもし出す女の子が私の目の前に立つ。


……瑠衣くんのこと?



「高橋くんをたぶらかさないでもらえる?」

「……そんなこと、」



私が瑠衣くんをたぶらかすとか、ありえない。

むしろ瑠衣くんからは嫌われていると思っているし。

それなのに、どうしてこういう話になっているの……。
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