愛して先輩っ! XXX
「どうしたの? 通れないんだけど……」



聞き覚えのある声が耳に入った。

静まり返る廊下。

道を作るように散らばる生徒たち。

その先にいたのは、瑠衣くんだった。

そして、その横には星矢くんと祐樹先輩もいる。


私と瑠衣くんの目が合う。

星矢くんと祐樹先輩も驚いた顔をしているのが分かる。



「奈々っ!?」



星矢くんが突き飛ばされたままの私に駆け寄る。



「大丈夫かっ!?」

「あ、うん……」



星矢くんに抱き起こされながら、ちらりと瑠衣くんに視線を向ける。

瑠衣くんは、こちらへ向かって歩いてくる。


掲示板の写真、見られちゃう……っ。


阻止したかった。

だけど。

瑠衣くんの手を掴むには、一歩遅くて。



「……なにこれ」



瑠衣くんの視線の先には、写真があって。

その手が震えているのが分かった。
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