愛して先輩っ! XXX
屋上には誰もいないだろう、と思っていたから驚いた。

この声は間違いなく。



「瑠衣くん……」



瑠衣くんは私の突然の登場に驚きを隠せないようだ。

私を視界にとらえた瑠衣くんは、すぐに視線をそらした。

そして、屋上のフェンスに寄りかかり、しゃがみこんだ。



「……なにしに来たの」



疑問系ではない質問。

『気分転換をしに来ました』とは、言いづらくて適当に答えた。

ふーん、と、相変わらず興味のなさそうな返事。

それにも慣れてしまった私もいる。

でも、それ以上に瑠衣くんが私の目の前にいることが嬉しかった。

ずっと避けられていて、挨拶も出来なかったからなぁ。



「……いつまで、そこに突っ立っているの」



瑠衣くんがちらりと私を見る。



「座れば?」



屋上の扉の前で突っ立っていた私に声をかけてくれる瑠衣くん。

……拒絶は、されていないってことでいいんだよね?


私は、屋上の扉を完全に閉めてから、瑠衣くんの隣に膝を抱えて座った。

背中に温かい夕日があたって気持ちがいい。

眠くなるなぁ、と思っていると。
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