愛して先輩っ! XXX
「ねぇっ。奈々ちゃん聞いているっ!?」

「聞いてなかった」

「もうっ」



頬を膨らます瑠衣くん。

その姿もかわいい。

小動物みたい。



「僕、奈々ちゃんと同じクラスがよかったぁ」

「そうだね。瑠衣くんは2年生って感じがしないもんね」

「えっ」



それは酷いよ、と騒ぎ出す瑠衣くん。


今は、クラスメイトの視線は冷たいけれど。

こうやって、星矢くんや瑠衣くんと話せるのは嬉しい。

寮に戻ったら、祐樹先輩もいる。

私はひとりじゃないと思ったら、なんだか強くなれる気がした。


そのとき。

廊下から、大きな衝撃音と罵声が聞こえた。

思わず固まる私たち。



「ふざけんじゃねぇよっ!」

「あんたのせいで、私たちまで睨まれているんですけど!?」

「どう責任取ってくれるわけ!?」



女子生徒の甲高い声と、謝る声が聞こえた。
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