愛して先輩っ! XXX
なにごとか、と、クラスメイトが廊下に出て行く。

私たちは顔を見合わせた。

廊下に人だかりができていることは、教室の中からでも分かった。


頭に浮かんだワード。


“いじめ”

“仕返し”


嫌な予感がする。

心がざわざわするような感じ。



「ごめんなさい……。きゃっ!」



謝る声を聞いたとき、私は思わず席を立ち上がった。

そのまま廊下へ飛び出していく。



「奈々ちゃん!?」

「奈々っ!?」



瑠衣くんと星矢くんの声が聞こえるけれど、それより私は自分の目で確かめたいと思った。

廊下へ飛び出した私は、廊下に集まっている人を掻き分けた。


人だかりの真ん中にいたのは。

掲示板に貼られた写真について、私を攻撃してきた大和撫子風美少女さんと、ギャル集団。


あのとき。

大和撫子さんは、物凄い剣幕で私を睨んできたけれど。

今回は、立場が違うようで。

大和撫子さんが床に倒れこんでいた。

多分、この様子からして、ギャル集団に蹴飛ばされたんだろう。
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