愛して先輩っ! XXX
「あんたには制裁が必要だよねっ!?」



そう言って、ギャルボスが足を振り上げた瞬間。

私は思わず飛び出して、大和撫子さんに覆いかぶさった。

そして同時に、背中に衝撃が走る。


痛い。


言葉が出ないほど痛かった。



「なっ!?」



突然の私の登場に、驚くギャル集団。

それは大和撫子さんも一緒のようで。



「あなた……」



大和撫子さんは、目を丸くして私を見ていた。



「大丈夫ですか?」



私の問いかけに頷く大和撫子さん。

見たところ、怪我はないようだ。

それから、私は立ち上がってギャル集団を睨んだ。



「暴力はダメですっ!」



廊下に響き渡る私の声。

しん、と廊下が静まり返った。

瑠衣くんと星矢くんが私の名前を呼んでいる。

視界に2人の姿が見えた。



「はぁっ!? あたしらはね、あんたの代わりに制裁しているんだけど?」



ギャルボスが偉そうに腕を組む。

私の代わりに制裁?



「そんなの、頼んでいません」



私の言葉に、さらに眉間にシワを寄せたギャル集団。

でも、私は間違ったことはいっていない。

確かに大和撫子さんには、嫌なことされたけど。

それは私たちの問題であって、誰かが介入することじゃない。
< 53 / 129 >

この作品をシェア

pagetop