愛して先輩っ! XXX
「この騒ぎはなんだ」



私たちを取り巻く生徒たちの向こう側から、聞き覚えのある声がした。

生徒たちが道を作る。

その先にいたのは祐樹先輩だった。


祐樹先輩……。

一触即発の瑠衣くんたちを止めてくださいっ。



「奈々……?」



祐樹先輩と目が合う。

その目は『また、なにかされたのか?』と心配してくれているような目だった。



「また! 男をたぶらかしてっ!」



ギャルボスが叫ぶ。

決して、たぶらかしてはいない。

だけど、祐樹先輩も瑠衣くんも星矢くんも、いわゆるイケメンだから。

そのイケメンたちが、どちらかの味方をしたら、女子にとっては面白くないよな。

と、思ったけれど。


瑠衣くんは、その言葉に納得がいかないようで。



「僕は。あんたたちより、奈々ちゃんのほうが魅力的だと思うけど?」



瑠衣くんの軽蔑した目。

それには、この場にいた全員がびっくりしたようだった。
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