愛して先輩っ! XXX
「放っておけ」

「でも、」

「人間そんなもんだ。自分の立場を認識した途端、態度が変わる。……それだけだ」



祐樹先輩から感じた雰囲気は悲しげで、どこか突き放したような、そんな感じがした。

寮に戻ったら、祐樹先輩と話をしよう。


どうして『人間はそんなもんだ』と言ったのか。

それを知りたい。


そんな私たちの空気をさとったのか、大和撫子さんはもう一度謝ってから、廊下を走っていった。



「俺たちも教室戻るぞ」

「僕の教室は奈々ちゃんと同じだからっ」

「……」



瑠衣くんには、もう呆れてなにも言えない。

だけど、そんな時間も悪くはない。
< 57 / 129 >

この作品をシェア

pagetop