愛して先輩っ! XXX
それより。

私、祐樹先輩に聞きたいことがあったんだ。

それを聞くために、星矢くんと瑠衣くんに、おつかいを頼んだんだ。

急にドキドキする心臓。



「あのっ、祐樹先輩」

「なんだ?」



しっかりと目が合う。

少しだけパニックになる。


聞いていいのか。

聞いてはいけないことなのか。


祐樹先輩が『人間はそんなもんだ』と言った理由……。

それを聞きたかったのに。

私の口から飛び出してきた言葉は。



「なんで暴走族総長になろうと思ったんですか」



なんて、それこそ聞いていいのか、聞いてはいけないことなのか、分からない質問だった。

いまさら、あとには引けないし……。

祐樹先輩の表情をうかがうと、少し困っている様子だった。



「そうだな……」

祐樹先輩がゆっくりと口を開く。

あごに手をあてている。

祐樹先輩も格好良いから、絵になるなぁ。



「ヒーローに憧れていたんだ」



ん?

ヒーロー?

聞き間違いかな?


祐樹先輩の口から、そんな言葉が出るなんて思わなかった。
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