愛して先輩っ! XXX
「えー。1年2組に転校してきた、藤澤 奈々さんです」



朝のホームルーム。

私は1年2組の教室の黒板前に立っているのですが。

……立っているのですが。


なんで、この教室に星矢くんがいるの!?

星矢くんは2年生じゃないの!?

それなのに、自分の居場所は窓際の席です、というように微笑んでいる。



「藤澤さん、自己紹介してね」



女性担任が私に声をかける。



「藤澤さん?」

「えっ、あ! 藤澤 奈々です!」



よろしくお願いします、と頭を下げる私。

そんな頭の中はフル回転。


もう一度言う。

なんで、星矢くんがこの教室にいるのか分からない。



「藤澤さんの席は、桜庭くんの隣の席ね」



私に手を振る星矢くん。


窓際から2番目。

1番後ろの席。

この教室でひとつだけ空いている席は、星矢くんの隣の席で。

私は席にたどり着くと、小さな声で星矢くんに尋ねた。
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