愛して先輩っ! XXX
「頭おかしいのは、お前らだろ」

「んなっ、」

「やっていいことと、悪いことくらいあるの、分かるだろ。サルじゃねぇんだから」



祐樹先輩の言葉に顔を真っ赤にするギャル集団。

1番最初に口を開いたのは、やっぱりギャルボスで。



「黒崎くんだって、誰かまわず殴ったりしているんでしょ!? 暴走族総長なんだから!」

「今は暴走族、関係ねぇだろ」



もう行こうよ。


ギャルボスの後ろにいた女の子たちが、小声で話しているのが聞こえた。

それからバタバタと屋上から出て行った彼女たち。

屋上に残されたのはギャルボスと、バケツを持った大和撫子さんだけだった。



「仲間が逃げていったぞ」

「――っ!」



ギャルボスはさらに顔を真っ赤にさせて屋上を飛び出していった。

残るは、大和撫子さんだけ。



「……お前はどうするんだ」

「……」



黙ったまま、その場を動かない大和撫子さん。

唇を噛み締めている。


静かな屋上。

ここにいるみんなの視線が大和撫子さんに集まっている。
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