愛して先輩っ! XXX
昼休みが終わると、私と祐樹先輩は保健室に向かった。

祐樹先輩はずぶ濡れになってしまったので、着替えさせたい。

このままじゃ、風邪を引いてしまうから……。


ジャージとか持っていないのか聞いたら、持っていないそうで。

祐樹先輩いわく、体育の授業に出る気がなかったから、らしい。

そんな話をしていると保健室に着いた。



「失礼します」



保健室のドアを開けると、先生の姿はなくて。

がらん、と静かな保健室だった。

顔を見合わせる私たち。

とりあえず、ジャージだけ借りさせてもらおう。


ジャージとタオルを見つけるのは簡単だった。

棚に“ジャージ”とラベルシールが貼ってあったのを見つけたから。

祐樹先輩にジャージを手渡して、カーテンの向こう側のベッドスペースで着替えてもらうことにした。



「奈々」



カーテン越しに祐樹先輩の声が聞こえる。



「ジャージのサイズ、小さかったですか?」

「違う」

 
違うのか。

てっきり、ジャージが小さくて入らなかったのかと思った。

祐樹先輩が大きすぎるのか?

それもありえる。
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