愛して先輩っ! XXX
「祐樹先輩の心って、すごく温かいです。人を守るって、その人の心が温かくないと守れないじゃないですか」

「……」

「私は、祐樹先輩の温かさに守られてきました」



静かな保健室に声が響く。

2人だけの空間。

心を開きあうには、大切な空間だった。



「……“総長”とか関係ない、って言ったけど、まったく関係ないってことはないと思います」



確かに、心の温かさで人を守ることは大事だと思う。

だけど、祐樹先輩が総長であるのならば。

総長としての強さも必要だと思っているなら。

それも大事なことだと思う。


シャッ、と開かれる保健室のカーテン。

ジャージ姿の祐樹先輩の瞳は揺れていた。

私は祐樹先輩と目を合わせて微笑んだ。



「ときには、“強い立場”だからこそ守れるものがあると、私は思います」

「……奈々は、否定とかしないんだな」

「え?」



首をかしげる私の頬に、祐樹先輩の手が触れた。

ドキッと高鳴る心臓。



「奈々の言葉は心に届く」



そう微笑んだ祐樹先輩はかっこよかった。
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