愛して先輩っ! XXX
「意地悪……」

「奈々をいじめるのは楽しいかもな」

「楽しくないです……っ」



祐樹先輩って優しいと思っていたけど、実はドSだったのかな。


うん。

ドSだ。

だって、半泣きの私を見て笑っているもん。



「うぅ、」



声にならない声をあげていると、祐樹先輩の顔が近づいてくる。

思わず目をつむる私。

首筋にかかる祐樹先輩の息。



「かわいい」



耳もとでささやかれた言葉は、私の涙腺を崩壊させるのには充分だった。

なんで泣いているのかも分からない。

多分、泣く理由があるとしたら。

慣れてないことをされているからだと思う。


だけど、決して嫌な感情にはならなかった。

恥ずかしいし、祐樹先輩がなんで、こんなに甘いのかは分からないけれど。



「もう離れてください……」



祐樹先輩の胸に手を押し当て、距離を取ろうとした瞬間。


ガラガラッ!

保健室のドアが勢いよく開いた。

思わずドアへと視線を向ける私と祐樹先輩。

ドアの前に立っていたのは、瑠衣くんと星矢くんだった。


2人は私と祐樹先輩の姿をとらえた瞬間。
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