愛して先輩っ! XXX
「えー。お腹すいたぁ」



瑠衣くんが騒ぎ出す。

瑠衣くんをなだめる星矢くん。

星矢くんは、瑠衣くんのお兄ちゃん的存在に見える……。


って、そうじゃなくて!



「祐樹先輩! 今すぐ、買い出しについてきてください!」



私は買い物袋を持って、玄関へ向かう。

私服に着替えたかったけど仕方ない。

制服のままスーパーへ行こう。

そんな私の横で靴を履く祐樹先輩。

祐樹先輩はすでに私服に着替えていて。

正直、格好良いと思った。



「近くのスーパーでいいのか?」

「はい」

「僕も奈々ちゃんとデートする!」



瑠衣くんがバタバタと走ってくるから、私たちは慌てて玄関を飛び出し、鍵を閉めた。


ふう。

瑠衣くんと一緒に買い物すると、他のものまでカゴにいれるからなぁ。

出費が多くなるから困る。


瑠衣くんと星矢くんにはお留守番をしてもらって、祐樹先輩とスーパーへの道を歩く。

他愛もない会話。

沈みかけの夕日が温かい。



「そういえば、祐樹先輩……」



ふと、隣を向けば祐樹先輩の姿がなかった。
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