愛して先輩っ! XXX
「やめっ、」

「騒ぐなよ」



もう1人の男が、ポケットから折りたたみ式のナイフを取り出した。

その刃の鋭さに、震え上がる。

あの先端を向けられるだけで、体が動かなくなる。


もう、抵抗なんて出来ない……。

抵抗したら、どうなるか分からない。

男が私のワイシャツを引きちぎる。



「きゃぁあっ」



はだけたシャツ。

風が直接、素肌にあたる。

このあと、男になにされるのかは簡単に想像できた。



「悪くねぇ体だな」



ニタニタを笑う男は不気味だった。

ぎゅっと目をつむる。

もう、諦めようとしたそのとき。



「奈々っ!」



私の名前を呼ぶ声が聞こえた。

つむっていた目を開けたと同時に、ナイフを持った男が吹っ飛んだ。

ワイシャツに手をかけていた男は、私から引き離された。

その男のみぞおちに、握り締められたこぶしが入った。

倒れこむ男。
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