愛して先輩っ! XXX
楽しかった遊園地。

あの日から数日が経った。

クラスメイトからの冷たい視線にも慣れた。

瑠衣くんが休み時間のたびに教室に来ることにも慣れた。

祐樹先輩がお昼休みのときに隣に座ることにも慣れた。

だけど、慣れていないことがひとつある。

星矢くんのことだ。


遊園地に行ってから、星矢くんは上の空のときが多いというか。

なにを考えているんだろう、って思うときは何度もある。

上の空かと思えば、私のことをじーっと見ている。


今もそうだ。

授業中なのに、星矢くんからの視線を感じる。

私はどうしていいのか分からず、気づかないフリをしているけれど……。


星矢くん、なにを考えているの?


そんなことをぐるぐる考えていたら、あっという間に授業が終わった。

廊下に響く足音。

この足音はもう分かった。

芸能人らしからぬ、普通の男子高校生みたいな足音。
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