愛して先輩っ! XXX
「奈々。好きだよ」

「―っ、」



好き。

その言葉が頭の中でリピート再生される。

大切にしてくれているのは、いつも分かっていた。



「返事は今すぐじゃなくていい。また、ちゃんと言うから」



真っ直ぐな星矢くんの目。

私はコクコクと頷くことしか出来なかった。



「さてっ! 僕は教室に戻るかなぁっ」

「あ、うん」

「奈々ちゃん、またねーっ」



手を振りながら教室を出て行く瑠衣くん。

そんな瑠衣くんを引き止めたのは星矢くんだった。



「瑠衣」

「ん?」



星矢くんの言葉に瑠衣くんが立ち止まる。

振り返った瑠衣くんに向けて星矢くんは笑顔を見せた。



「ありがとな」



そんな星矢くんから、目をそむける瑠衣くん。

照れているんだろうか。

髪の毛をくるくる触りながら、ぶっきらぼうに。



「別に、僕は何もしてないけどっ」



そんな瑠衣くんに、星矢くんは苦笑している。

私もつられて苦笑する。
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