あの夜身ごもったら、赤ちゃんごと御曹司に溺愛されています

だけど、誰かを不幸にしてまで自分が幸せになれるとは思えない。
だったら好きな人の幸せを願う方が、誰も傷つかない。
そう頭の中では思ってるのに……。
すると突然メールの着信音がなった。
どうせメルマガか何かだろうと思いながらスマホをチラッと見た。
だがそれはメルマガではなく悠一さんからだった。
今日は来なくていいと連絡があったはず。
緊張しながらメールを開く。
【話がしたい。蛍の森で待っている。来るまで待っているから】
なんで？
まさか昨日のことで私を呼び出した？
正直もう話すことはない。
それにあの場所であったら、また昨日のようにその場の雰囲気に呑まれて、すべての人を困らせることになるに違いない。
私はまるで見なかったかのようにスマホを置いて、食事を続けた。
だけど、頭の中では気になって気になって仕方がない。
行ってはいけないとわかっているのに、ソワソワしてしまう。
「翼」
「な、なに？」
「大丈夫かい？」