あの夜身ごもったら、赤ちゃんごと御曹司に溺愛されています
私は【もう会えません】とだけ返信を送ると彼のアドレスを消去し、着信拒否設定をした。
これでいい。
いや、こうするしかないと自分に言い聞かせた。
だが、頭の中ではわかっていても気持ちの整理は全くつかず、気持ちを切り替えなきゃと、新作のアクセサリーをアプリにアップする作業を行っていた。
この日の柊一は、おとなしく私の隣で遊んでいたが、いつもの元気はなく、珍しく昼寝の時間も長かった。
「今日はよく昼寝をするね」
祖母も気付いたようだ。
「うん。今日はいつもより静かで良く寝てるの」
そう答えると、祖母は柊一の顔を覗き込んだ。
「あら、なんだか顔が赤いようだけど」
「え?」
顔を覗き込むと確かに祖母のいうように顔が赤い。
私はおでこに手を当てた。
——熱い。
「ばあちゃん、柊ちゃん熱あるかも」
「やっぱり……熱を測ってみよう」
そう言って祖母は救急箱から体温計を持ってきてくれた。
やはり、熱が出ていた。
「三十八度ある……ばあちゃんどうしよう」
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