あの夜身ごもったら、赤ちゃんごと御曹司に溺愛されています
スナップエンドウを収穫し、家に戻るとタイミングよく泣き声が聞こえた。
「翼〜、しゅうちゃんが起きたよ」
「はいは〜い」
1時間ほど昼寝をしていた柊一が目を覚ましたのだ。
恐らくオムツだろう。
交換をするとご機嫌になった柊一を抱っこして、祖母と高田さんがいる居間にいく。
「しゅうちゃん、おはよう〜。おばちゃんとこおいで」
高田さんが手を広げる。
柊一をおろすと、満面の笑みを浮かべ、よちよち歩きで高田さんに向かう。
子供の少ないこの島で柊一はアイドル的な存在だ。
奥寺柊一。この子は私の子供だ。
妊娠に気づいたのはこの島で生活をはじめて2ヶ月半が過ぎたころだった。
父親は、悠一さんだ。
もちろん彼は子供のことなど知らない。
だって彼とは初めて会ったあの日以来会っていないのだから……。
だが、私は妊娠したことも、この子を産んだことも全く後悔していない。
もちろんここまでの道のりは順風満帆ではなかった
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