あの夜身ごもったら、赤ちゃんごと御曹司に溺愛されています
「君は何もわかっていないようだから、説明する。とりあえず入って」
言われるがまま、私は家の中に入った。
新しいログハウスは、入った途端木のいい香りに包まれた。
中も広々としていてとても素敵な家。
でも褒めたりなんかしない。
リビングに案内され、ソファにすわる。
部屋の雰囲気はアメリカンスタイルを思わせるオシャレなリビングだった。
「はい、コーヒー」
「ありがとうございます」
マグカップを受け取る時に彼の手が当たって、どきっとしてしまう。
「そんなに警戒しないでよ。俺たちあんなに愛し合った仲だろ?」
皮肉なのかそれとも本音なのか彼の表情からは読み取れない。
でもここでいちいち反応していたら、うまく行く話もダメになってしまう。
「あの……説明って」
彼の言葉をスルーするような態度な態度に彼はわざとらしいため息を吐いた。
「ちょっとこっちに来てくれる?」
悠一さんは隣の部屋を指さしながら、部屋へ向かった。
コーヒーくれたのに飲む前に移動って……よくわからない。
私はマグカップをテーブルに置くと、ため息と共に立ち上がり、隣の部屋へ向かった。
8畳ほどの部屋は意外にもリビングとは違い殺風景というか部屋の中央にテーブルあるだけ。
そのテーブルの上には大きな模型があった。
「これが建設中のリゾート施設の模型」
低層階のホテルが山の上の方に建てられている。
その下にはこのログハウスのような貸別荘があり、その周りには小さな建物がいくつか立っていた。
そこは多目的施設だった。
そのほかにもアスレチッをはじめとするスポーツ施設などがあった。
悠一さんは模型を指差しながら細かい説明をしている。
彼はこの施設の責任者でもあるのだ。
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