十彩
部屋に散乱したゴミが、
溜まった缶が、
私の背中をなぞっている。
下から上に気持ちの悪い寒気を走らせる。
枕元に伸びた充電器に繋がれた私は、
いずれ100%になるのを待っていた。
洗濯機の回る音、頭の中をかき混ぜる。
記憶が散り散りにこの部屋に撒き散らされる。
幸せを歌う歌、不幸を歌う歌、幸せを嘆く声。
目の奥で踊りを始めた埃。
低速充電。
消費の激しい十色。
白濁した私を全てが否定した。
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

紙

総文字数/356

詩・短歌・俳句・川柳1ページ

卒塔婆

総文字数/142

詩・短歌・俳句・川柳1ページ

蛾

総文字数/272

詩・短歌・俳句・川柳1ページ

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop