十彩
部屋に散乱したゴミが、
溜まった缶が、
私の背中をなぞっている。
下から上に気持ちの悪い寒気を走らせる。
枕元に伸びた充電器に繋がれた私は、
いずれ100%になるのを待っていた。
洗濯機の回る音、頭の中をかき混ぜる。
記憶が散り散りにこの部屋に撒き散らされる。
幸せを歌う歌、不幸を歌う歌、幸せを嘆く声。
目の奥で踊りを始めた埃。
低速充電。
消費の激しい十色。
白濁した私を全てが否定した。
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