【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。
◎最悪な出会い
わたしがアイツに出会ったのは、すごく寒い真冬の日だった。
その日はすごく寒くて、コートだけじゃなくて、マフラーや手袋などがないと歩けない日だった。
「さむっ……。早く帰りたい」
いつものように仕事が終わり、帰宅しようとしていた所だった。
「おい、お前。邪魔だ。退け」
とわたしに対して言葉が背中越しに向けられたのだった。
「はい?」
言葉をかけられた方に振り向くと、そこには一人の背の高い男性がわたしを睨むように立っていた。
「聞こえなかったのか?邪魔だから、退けと言っているんだ」
低い声でその言葉を発する男の目は、まさに゙悪魔゛だった。
「なんでわたしが、アンタのために退かないといけないわけ?」
とすかさず言葉を返したものの、その悪魔は怯むこともなく、わたしに詰め寄ってきた。
「はっ? お前、何様だ?」
「そっちこそ、初対面の女に何言ってくれてるわけ? 何様?はこっちなんだけど?」
いちいち、態度がムカつくわね!