【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。
「てめぇ、ふざけんなよ!? 莉沙をこんな目に遭わせたこと……。いいか?俺は絶対に、お前を許さない。一生な」
わたしを強く抱きしめるその力が強くなって、わたしは涙が止まらなかった。
「ふざけんなよ……。お前だって、お前だって同じことしたじゃないか!!……俺の、俺の好きだった彩香(あやか)を抱いたんだろ!? なぁ!?そうだろ!?」
声を荒らげる神宮寺社長は、悔しそうな顔をしていた。わたしは俯いたまま何も言えなくて、涙をこらえることに必死だった。
「……ああ、そうだよ。俺は抱いたよ、彩香のこと。お前が彩香のこと好きだって知ってて抱いた。 彩香に抱いてくれって言われて、一度は断った。だけど一度だけでいいからって、そう言われて。それで俺は彩香のことを抱いた。……だけど彩香のことを抱いたら、俺は彩香のことを諦めきれなくなった。 だから、お前に渡したくなくなって、それで彩香と付き合った」
……聞きたくもない真実を、目の前で聞かされて。正気でなんていられるわけがない。