【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。



「くっそ……。なんでお前なんだよ。なんでお前なんだよ!!」

 神宮寺社長は光星さんに怒鳴り付けると、光星さんの胸ぐらを掴んだ。

「やめて……!」

 わたしは、泣きながら神宮寺社長の腕を掴んだ。

「……いいんだ、莉沙」

「良くない……! 光星さんを……。光星さんを傷付けないでください!」

「莉沙……」

 わたしは泣きながら、神宮寺社長にそう訴えた。神宮寺社長の腕を掴んだまま、そう訴えた。

「っ、なんで……なんでこんなこと……。お願いだから、もうやめて……」

 光星さんが傷つく姿を、見たくない。光星さんが震える姿を、もう見たくない。  

「莉沙……もういい。もういいから」

「わたし、光星さんのことが好きなんです……。愛してるんです。だからお願いです! これ以上もう……光星さんのことを傷付けないでください。お願いします……」

 わたしは溢れだす涙を止めることもできなくて、神宮寺社長の腕を掴んだまま、必死でそう訴えることしか出来なかった。
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