【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。
わたしがそう言うと、静かに光星さんは顔を上げた。そしてわたしを、ジッと見つめた。
「……光星さん、わたしは光星さんのしたことについて、別にひどいとは思っていません」
わたしは静かに語りだした。
「確かに、神宮寺社長と光星さんがたまたま同じ人を好きになってしまったことは、皮肉なことだと思いますけど……。でもその人は、神宮寺社長ではなく光星さんを選んだんですよね? だったらわたし、別にひどいとは思わないです。……だってもし彼女を抱いたとしても、光星さんとその彼女は、お互いを思い合ってたんですよね?それなら、神宮寺社長が負けても仕方ないと思うな。だって彼女が好きになったのが、光星さんだったんだもん」
神宮寺社長がそこまで光星さんを憎むのはきっと……。光星さんに対して、憧れがあるからなんじゃないかなってわたしは思ってる。
「……神宮寺社長はきっと、光星さんに憧れみたいなものが、あるんじゃないかなって思うんです」
「……憧れ?」