【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。
◎一夜だけの甘い夜
「遠藤莉沙」
「な、なんですか……」
「今夜10時、このホテルのこの部屋で待ってる。……必ず来い」
「……え?」
そう言って渡されたのは、一枚の紙切れだった。そこには、ホテルの名前、場所、部屋番号が書かれていた。
「行かないって……言ったら?」
「ダメだ。必ず来い」
「…………」
なんで、なんでこんなに強引なの? 必ず来いだなんて……。
そして迎えた夜10時ちょっと前。わたしは約束通り、紙に書かれたホテルの場所へとやってきた。紙に書かれたホテルの部屋番号は、707号室だった。
わたしは深呼吸してから、その部屋へと静かにに足を向けた。コンコンと部屋のドアを叩いた。するとその部屋のドアは、すぐに静かに空いた。
「……来たか。入れ」
彼はわたしを見るなり、そう言った。
「……失礼します」
わたしは恐る恐る部屋の中に入った。そしたらいきなり、壁に身体を押し付けられ、また唇を重ねられた。
「んっ……ちょっ、と……」