【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。



「聖川社長、遠藤です。 失礼しまっ……きゃっ!?」

 社長室の中に入った瞬間に、腕を掴まれ、そのまままたアイツに唇を重ねられた。

「んんっ⁉ ちょ……聖川社長……!」

 思わずわたしは、聖川社長のスーツの袖を掴んだ。

「莉沙、会いたかったよ」

「や、やめてください……! 誰かに見られたら、どうするんですか!?」

 やっぱりまた、キスをされた。なんとなく変なことをされそうな予感はしていたが……。予感は的中したようだ。

「あの日の夜以降、ずっと莉沙に会いたくて仕方なかった」

「……な、なにを言ってるんですか。本当に冗談は、やめてください……」
 
 この人はそうやってわたしのことを、からかって楽しんでいるだけだ。

「冗談なんかじゃない。……あの夜、莉沙を抱いたあの時から、ずっと莉沙のことが頭から離れないんだ」

「……え?」

 なに言ってるの……。

「莉沙。……君の顔が、ずっと頭に焼き付いて離れないんだよ」

「……や、やめてください」
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