【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。
「っ……はぁっ、あっ……」
二人だけの空間といえ、ここにはわたしたち二人しかいない。そんな中で、こうして高級そうなソファーの上で、わたしたちは身体を重ね合っている。繋がっている身体の重みで一定のリズムを奏でて揺れるソファー。だけど我慢して、その理性を含んだ声をわたしは懸命に押し殺す。
「莉沙……。っ……」
「っ……しゃっ、ちょっ……」
この部屋で身体を重ね合いながら、この行為が終わるまで、この部屋に誰も来ないことを祈るしかなかった。莉沙と名前を呼ばれて、キスをされる度に、錯覚を起こしてしまいそうだった。
今わたしが抱かれているのは、社長ではなく俊太郎だって。今わたしが抱かれている相手は、俊太郎なんだって。 そう錯覚することで、わたしは理性を取り戻そうとした。
だけどやっぱり、今わたしが身体を重ねている相手は目の前にいる聖川社長だ。俊太郎なんかじゃないんだ……。だって俊太郎は、あの時に死んだ。……そう思ったらいつの間にか、社長はわたしの身体の上で果てていた。