【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。
そんな矢先のことだった。いつものように彼の所へ営業へと出かけた時、社長室から誰か出てきた。
「では、失礼致します」
「はい。お返事、お待ちしております」
部屋から出てきた人と軽く会釈を交したわたしは、その後に続いて社長室の中に入った。
「聖川社長、失礼致します」
「おー莉沙。待ってたよ」
「あの、今の方は……」
と彼に尋ねると、彼は「俺の取引先の人だ」と行ってまたソファーに座った。
「で? 今日は何の用件?」
と彼に尋ねられたわたしは、「話を聞いてもらいたくて来ました」と言った。そしてソファーに腰掛け資料を出すと、社長の目の前に置いた。
「うちの新しい器具です。この器具を、社長に買ってもらいたんです。……どうしても、あなたに買ってもらいたんです」
「……そこまで言うなら買ってやってもいいが、一つだけ条件がある」
「はい。何でしょうか?」
条件があるなら、わたしがその条件を呑めば契約してくれるってことよね?