【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。


「待った?」

「い、いえ……」

 だって聖川さんは、予定どおりに来てくれた。わたしが早く来ただけ。

「莉沙、今日の服可愛いね」

「え? あ、ありがとうございます」

 デートのために一生懸命選んだ服だ。褒めてもらえるのは嬉しい。一生懸命選んだかいがある。

「俺のこと考えながら、その服を選んでくれたのか?」

「え? あ、まぁ……」

 そりゃ、デートとなればその人のことを考えて選ぶに決まっているだろう。……たぶん。

「へぇ? 可愛いとこ、あるんだな?」

「えっ!?」

 わたしはその言葉でビックリして、思わず聖川さんを見た。

「今日のデート、楽しもう。 莉沙がすごく楽しいと思えるくらい、楽しませることを約束する」

「……はい」

 そうやってわたしのためにって言ってくれるのは、すごく嬉しい。だけど、わたしは完全にまだ聖川さんのことを信用したわけではない。

 これからどうなるかなんて、分からないけど。……今日は精一杯、デートを楽しみたい。
< 40 / 125 >

この作品をシェア

pagetop