【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。
「待った?」
「い、いえ……」
だって聖川さんは、予定どおりに来てくれた。わたしが早く来ただけ。
「莉沙、今日の服可愛いね」
「え? あ、ありがとうございます」
デートのために一生懸命選んだ服だ。褒めてもらえるのは嬉しい。一生懸命選んだかいがある。
「俺のこと考えながら、その服を選んでくれたのか?」
「え? あ、まぁ……」
そりゃ、デートとなればその人のことを考えて選ぶに決まっているだろう。……たぶん。
「へぇ? 可愛いとこ、あるんだな?」
「えっ!?」
わたしはその言葉でビックリして、思わず聖川さんを見た。
「今日のデート、楽しもう。 莉沙がすごく楽しいと思えるくらい、楽しませることを約束する」
「……はい」
そうやってわたしのためにって言ってくれるのは、すごく嬉しい。だけど、わたしは完全にまだ聖川さんのことを信用したわけではない。
これからどうなるかなんて、分からないけど。……今日は精一杯、デートを楽しみたい。