【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。



「俺が莉沙とふたりでイチゴ狩りをしたかったんだ。誰にも邪魔されないようにね」

「そ、それは嬉しいですけど……」

 何もそこまでする必要なかった気もするけどね……。デートとはいえ、わざわざイチゴ狩りのためだけに茨城に来るなんて。

「今日は思いっきり楽しもう、イチゴ狩り」

「……はい」

 でもわざわざそこまでしてくれるのは、本当に嬉しい。 だって、わたしのためを思ってのことなんだよね?

「茨城のイチゴは美味いぞ?甘くてひと粒が大きくて、それにすごくみずみずしい。ジューシーで美味い」

「そうなんですね……。それは楽しみです」

 そんなに美味しいイチゴなら、尚更食べたい。楽しみだな、イチゴ。

「だから、莉沙に食べさせたくて。わざわざ茨城まで行くんだ」

「ありがとうございます。嬉しいです、本当に」

「莉沙、途中でパーキングがあるけど、休憩がてら何か食べて行くか?」

 聖川さんにそう聞かれたわたしは、「あ、はい。何か食べたいです」と咄嗟に答えた。
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