【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。



「夜景、楽しみですね」

「そうだな」

 彼氏?と夜景を見に行くなんて、想像してなかった。だけど、こういう小さなことで胸はときめくんだな……。

「……なぁ、莉沙」

「はい?」

 夜景の絶景スポットに着くなり、握りしめるその手を繋いだまま、聖川さんはわたしの名前を呼んだ。

「今日は莉沙に、言いたいことがあるんだ」

「言いたいこと……?」

 なんだろう……。なにを言いたいのだろう。

「ああ。……莉沙」

「……はい」

 聖川さんは、わたしの名前をそっと呼んだ。そしてわたしの目を見つめたまま、わたしの頬にそっと触れた。 やっぱり寒い寒空の下でも、聖川さんの手は温かかった。

「まだ……俺の気持ちを言ってなかったな」

「……え?」
 
 聖川さんの、気持ち……?

「俺の、莉沙に対する気持ち。まだ言ってなかったなと思ってさ」

「……聖川さんの、気持ち?」

「そう。……莉沙、俺はお前のことが好きだ。お前のこと、誰にも渡さない。 俺だけの莉沙にしたい」
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