【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。



 こんな状況の中で、緊張しない訳がない。だって聖川さんの両親と会うんだよ? もう心臓バクバクで、口から心臓が飛び出そうなくらいだ。
 
「そんなに緊張しなくても大丈夫だ。うちの両親は、結構親しみやすいから」

「そ、そんなこと言われても……」

 ご両親に挨拶するなんて、結婚の時の挨拶みたいな感じになるし、そんなのわたしには無理〜!

「今日は本当にさくっと挨拶して、普通に食事するだけだから。 そんなに肩張らなくても大丈夫だ」

「は、はい……」

 ホテルへの道のりが近づく度に、緊張とドキドキが増していく。

 どうしよう……。何か言われたりしないかとか不安になる。そしてわたしが聖川さんに相応しくないとか言われたりしたら、どうしよう……。とか色々と不安が頭をよぎる。 イヤなことばかり、考えてしまう。

「莉沙、やっぱり不安か?」

 と聞かれて、正直にはいと答えた。だって不安だから。
 
「大丈夫。俺がそばにいる」

「……はい」

 信じよう、聖川さんを……。
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