【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。



「莉沙さん、好きなの食べて?今日はわたしたちの奢りだから」

「い、いえ!そんな……!」

 そんなの申し訳ないよ……!

「なに、遠慮することはないよ。好きなの食べるといい」

 そんなわたしに、お父様はそう言ってくれた。

「そうだぞ、莉沙。父さんがそう言ってくれてるんだ。遠慮するとはないぞ?」

「……じゃあ、はい。ありがとうございます」
 
 わたしはメニューの中から、美味しそうなビーフシチューを頼んだ。

「どうだ?莉沙?」

「はい。すごく美味しいです」

「そうか。良かった」

 牛肉がトロトロしてて、ホロホロしてて、コクもあって。すごくすごく、美味しかった。 この味は、自分では作れない。

 お店で食べるからこそ、また違う味わいになる。高級な味だって言うのが食べて分かる。

「所で、莉沙さん?」

「は、はい」

 今度はなにを言われるのか、ドキッとした。

「息子のこと、これからもよろしくお願いしますね?」

「い、いえ!こちらこそ……!」
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