【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。
◎ふたりの過去



「……複雑って」

 どういう意味なんだろう?その言葉の裏に、何があるのか。わたしには分からなかった。



◇ ◇ ◇



 そして迎えたパーティー当日。わたしは光星さんと一緒に、パーティー会場に来ていた。 人がたくさんいて、緊張する……。

 それにわたしみたいな一般人がいることも、場違いなのではないかとも思う。だけどそんな不安を和らげてくれるのは、光星さんだった。

「莉沙、俺から離れるなよ?」

「は、はい……。分かりました」

 一応今日は、神宮寺社長の就任パーティーということなので。もし会ったらこれから一応はクライアントになる訳なので、挨拶をしなければと思っている。

「よう、聖川。久しぶりだな。……来てくれたんだな?」

「……ああ」
 
 パーティー会場の中で、光星さんを見つけたのはあの神宮寺新社長だ。光星さんにそう声を掛けた神宮寺さんは、光星さんを見つめていた。

「その子、聖川の彼女?」

「そうだけど?」

「へえ?……美人だな?」
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