【完結】悪魔な御曹司に心も身体も溶かされました。
その言葉はとても冷たくて、とても感情が見えなかった。
「そんなこと言うなよ。……俺たち、同級生だろ?」
そう言って神宮寺社長は、光星さんの肩を引き寄せた。光星さんは、イヤな顔をしながらその手を払い除けた。
「……悪いが、俺はもうお前を同級生だなんて思っていない」
そう言った光星さんは、彼に冷たい視線を向けていた。
「ふーん……。まぁいいけど。 じゃ、俺挨拶回りあるから行くわ」
神宮寺眼社長は、そのままニコリと笑うとわたしたちの前から背を向けて歩き出した。
「光星……さん?」
よく見ると、光星さんは右手の拳をぐっと握りしめていた。
「……すまない。ちょっとお手洗いへ行ってくる」
「あ、光星さん……」
光星さんは一人、俯いたまま会場を出ていってしまった。わたしはその後ろ姿を見つめたまま、何も言えずに立ち尽くしていた。
そこに静かな足取りでやってきたのは、神宮寺社長だった。そして彼はわたしに、こう言った。